台木・・・その前に

「台木」と言ったら、おヨーロッパのヴィティス.・ヴィニフェラ×アメリカンなヴィティス一味。

これ、あくまでもフィロキセラに対抗するための基礎的な役割を果たすハイブリッドの大枠で、台木は色んな特徴を兼ね備えております。

 

まずは、アメリカンチームの代表選手とその特徴を簡単に、ザックリと、大雑把に、そんな感じで見てみよう。ブドウ種の日本語読みが間違っていてもドンマイだぜ。

 

①ヴィティス・ベルランディエリ(V. berlandieri)

・テキサスとメキシコ国境がある、アメリカ南西部で発見された種類。そこってば石灰岩土壌なもんですから、当然その土壌に対して順応進化。石灰岩土壌が多いヨーロッパにおいて、その土壌特性に対しての耐性がイマイチなアメリカン・ヴィティス達は、一般的には苦労するらしい。が、ベルランディエリはバッチコイなのさ。

 

・さらに!ベルランディエリはフィロキセラを耐え忍べるだけではなく、カビ系の病気病気、一部のバクテリア系の病気にも耐性アリ。さらにさらに!!根を地中深くまで成長させる種類なんで、渇きに対してもそこそこの戦闘力がある。かなり優秀な種類ですなぁ。

 

②ヴィティス・ラブルスカ(V. labrusca)

・これは、アメリカ東部出身のブドウ種。コンコルドとかの台木になっております。で、ラブルスカ、メチル・アンスラニレートに起因する「フォクシー・フレーバー」を持っているんですよ。

 

・そして、誰かさんがフィロキセラを宿したこのアメリカン・ブドウをヨーロッパに持ち込んじまったがために、フィロキセラが大ブレイクしたと考えらえているそうだ。

 

・そんなラブルスカ選手は、寒さとウドンコ病に耐性がある。しかーし。ベト病、一部バクテリア系病、そして石灰に弱し。致命的なことに、フィロキセラに対してもそれ程強くないらしい・・・ダメじゃん。なんでも、フィロキセラがやりたい放題していない、アパラチア山脈の砂地土壌(フィロキセラが嫌いな土壌ね)で進化しちゃったかららしい。

 

③ヴィティス・リパリア(V. riparia)

アメリカ各地、カナダのロッキー山脈よりも東側で生息。

 

・リパリアはフィロキセラに対して立派な耐性がある上に、カビ系病、寒さにも強い(マイナス30℃位なら平気だぜ)。しかし。石灰に弱し。バクテリア系病に弱し。渇きにも弱し。基本的に根を深くはらないタイプとのこと。

 

④ヴィティス・ラペストリス(V. rupestris)

アメリカ南西部出身のブドウ種。フィロキセラ、ウドンコ病、ベト病に強く、石灰が苦手。そして、リパリアとは異なり、これは根を地中深くまで伸ばすタイプさ。

 

それではお待ちかね。台木ーーーーーは次の記事で。